引っ越し相談事例集

 


  (事例06)引っ越し日の変更でキャンセル料をとられた
   
 転勤日が急に10日間延期になったので、前日に作業日を10日間ずらすよう頼んだところ、キャンセル料をとられました。これは払わなければいけませんか。
 引っ越し日の変更は、各日ごとに業務予定を組んでいる事業者にとってリスクを負うことになります。しかし、運送日の変更はいわゆる解約ではなく運送契約の変更にすぎません。したがって、事例のような場合、事業者は解約手数料(キャンセル料)をとることはできません。

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  (事例07)引っ越しキャンセルで違約金を請求された
   
 引っ越しの10日前に作業を依頼し、その3日後にキャンセルを申し出たところ、事業者から見積総額の20%の違約金を請求されました。
 運送日の前日が当日のキャンセルに限って、事業者は解約手数料を請求することができます。事例のように引っ越し当日の7日前にキャンセルしたケースでは、利用者は解約手数料を支払う必要はありません。
また、解約手数料は見積書に記載された運賃の10%以内(引っ越しの前日キャンセル)もしくは20%以内(引っ越しの当日キャンセル)となっています。事例のように運賃のみならず附帯料金もも含めその20%とすることはできません
【標準引越約款第21条第2項】

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  (事例08)台風による延期でもキャンセル料は払うの?
   
 台風接近で風雨が激しく、とても引っ越しができる天気でなかったにもかかわらず、事業者が家に来てしまいました。当日の作業中止を申し出たところ、50%の違約金を請求されました。
 事例07にもあるように、引っ越し当日のキャンセルについては、事業者は解約手数料を請求することができます【標準引越運送約款第21条第2項】。しかし、事業者の都合もしくは、事例のように風雨が激しいといった天災などの不可抗力によって利用者がキャンセルする場合、事業者は解約手数料を請求できません。

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  (事例09)現場でトラックを1台追加、その費用は?
   
 引っ越し当日になって、エアコンの取り外しを頼みました。また、ベッドなどの古い家具の引き取りを頼んだため、もう1台トラックを追加することになってしまいました。見積書の金額を上回って請求されましたが、やはり払わなければいけませんか。
 事例のように、エアコンの取り外し作業や不用品の引き取りなどの作業を引っ越し当日になって依頼した場合、利用者側の事情による作業内容の変更ということになり、当該作業にかかわる附帯サービス料金については請求されます(標準引越運送約款第19条第4項)。
 また車両の追加についても利用者の都合でトラックが必要になったわけですから、当然、追加料金を請求されます。
 このようなトラブルが生じないよう、あらかじめ計画を立て、持っていくものと不用品とを明確にしておくことが必要です。

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  (事例10)約束より少ない作業員で引っ越しが遅れた
   
 見積書では作業員は4人となっていたのですが、実際には2人しか来ませんでした。そのために作業は夜までかかってしまいました。こうした場合、引っ越し料金を値引きしてもらうことはできますか。
 見積上は4人で料金が設定されているわけですから、当日作業員が2人減ったとすれば、当然減額されます【標準引越運送約款第19条第4項】。また、作業が当初約束した時間より遅れたことにより発生した直接的負担(交通費、宿泊費など)については、事業者に請求することができます。ただし、遅延による損害について、約款上、原則として運賃などの合計額の範囲内となっています【標準引越運送約款第26条第2項】

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  (事例11)作業員の到着が夜の10時
   
 午前中に引っ越しを済ませたかったので、午前9時に来てもらうように予約をしました。ところが予約時間になっても車は来ず、夜の10時を過ぎた頃にようやく到着。そのおかげで帰りは終電に間に合わず、仕方なくホテルに泊まりましたが、宿泊代は請求できますか。
 この事例のように事業者が時間指定を約束していた場合、利用者は遅延損害を請求できるものと考えられます。
 ただし、極端に到着が遅れたとなると、障害や天災、事変など事業者にとって不可抗力な原因があったとも考えられますので、遅延の理由を確認することが大切です
【標準引越運送約款・第23条】

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  (事例12)無連絡の作業遅れ
   
 見積時に開始時間を午前10時と指定したのですが、約束時間に事業者は現れず、夕方に到着するまで連絡すらありませんでした。結局作業が終了したのは夜の11時頃。料金を多少割り引いてくれましたが、近所の人にも迷惑を掛けたので、それだけで納得できません。
 このケースのように「近所の人から苦情を言われた」あるいは「近所の人に迷惑を掛けた」などのような、精神的なものの場合には賠償の対象とはなりません。しかし、「お詫びのために菓子折を買った」などの金銭的負担があった場合には、利用者は請求を行うことができます。
 ただしその際には、支払ったことの証明となる領収書を提示する必要があります。

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  (事例13)事前に取り外したエアコンが雨で故障
   
 エアコンの取り外しと転居先での取り付けを依頼しました。引っ越し前日に取り外し、屋外に置いておいたところ、夜に雨が降って濡れてしまい、使用不能になってしまいました。責任はどうなるのでしょうか。
 事業者の判断によってエアコンが屋外に置かれたのであれば、保管の注意義務を怠った事による事業者の責任と考えられますが、利用者の指示で相談のうえ屋外に置いたのであれば、事業者の責任は問えません【標準引越運送約款第22条、第23条】。どちらが置き場所を指示したのか、当事者に確認する必要があります。

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  (事例14)梱包のヒモが切れて荷物が落下
   
 作業員がトラックに荷物を積み込む際に、梱包のヒモが切れて荷物が地面に落ち、中に入っていたものが壊れてしまいました。この場合、損害賠償を請求できますか?
 利用者が荷造りをしてその不備から起こった事故の場合は、事業者は責任を負いません。しかし、作業員の扱いが乱暴であったためにヒモが切れ、中に入っていたものを壊してしまった場合は、事業者が責任を負い、弁償しなければなりません【標準引越運送約款第23条、第24条第2項】
 利用者が自ら荷物を梱包するのであれば、中身を表示するなど、作業員への注意を促す工夫が事故防止に役立ちます。

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